今シーズンのライチョウガイドツアーが始まる初日の5月16日を待って、生まれて初めて富山県の立山連峰に行ってきました。当然ながらメインはライチョウで、次にイワヒバリ、あわよくばホシガラスの順番です。
長野県の扇沢駐車場に車を停めると遠くからコマドリの囀りが聞こえてきました。黒部アルペンルートの電気バス始発に乗って15日のAM9:25に標高2,450mの室堂に到着しました。生憎の曇り空でしたが素晴らしい景観に圧倒されつつ、まずは自然保護センターで毎日実施している無料の自然観察ツアーに参加しました。万が一、翌日のツアーで見れなかった時の保険的な意味合いでした。
自然保護センターを出てホテル立山を横切ると、ほどなく現れるのがみくりが池です。まだ大部分が凍っていて一部しか溶けていませんが、雪が解けると湖面の周囲はハイマツで覆われるそうです。この池の周辺がライチョウ出没のメインスポットとのこと。胸が高鳴ります。ガイドさんの後に続きどんどん行進していくと、数百メートル前方にひとだかりが!ガイドさん曰く、それがライチョウを探す際の一番簡単な目印になるそうです。急ぎかけつけると、いましたいました!ライチョウの番です。
オスもメスも真っ白な冬羽から繁殖期の装いに変化している途中、いわゆる換羽の最中です。
普通の鳥は1年に2回換羽をしますが、ライチョウの場合は3回もするそうです。
捕食者から身を守るため、隠蔽色(一般的には保護色)になっています。
歩行路のすぐ脇に居て、人だかりができているのに全く動じないのには驚きました。
これには理由があり、生息地が高山であったことやライチョウが「神の使い」として大切にされてきたことで、人間を恐れなくなったと言われています。
初めて見たことで興奮してしまい、ガイドツアーの皆さんも時間の関係で帰ってしまったため、単独で観察を続けることにしました。しばし堪能した後にハイマツの中に消えていったため、みくりが池の周辺探索を再開しました。しばらく歩いていくと、早速別の番を発見しました。
オスは徐々に岩の上に登っていき、見晴らしの良いところでストップ。縄張り内での見張りを始めました。その間、オスに守られたメスはせっせと採餌に励んでおりました。
オスの足元には青と赤の足環が確認できます。足環によって個体識別をすることで移動状況や寿命などを調査し保全事業に役立てているそうです。最初のオスは両足が黄色の足環をつけていましたが、年次によって色の組み合わせが異なるそうです。この番は、結構長い間姿を見せてくれていましたので、十分に堪能することができました。
池の周遊コースも終わりに差し掛かったころ、最後の番に出会いました。
このオスは足環をつけていなかったので、個体識別されていないライチョウになります。
初日から思わぬ収穫でなんと3番にも出会うことができました。
いずれも双眼鏡も望遠レンズも必要ないくらいの至近距離から観察することができましたので、普段では決して味わえない驚きとともに大満足の一日となりました。
以下の写真は2番目の番を撮影しているシーンです。ホント、近いですよね。
(2022/05/15撮影)