5月11日(日)定例観察会の報告
2025年5月11日(日)、晴れ時々曇り、風速3m、気温20℃。
前日までの雨が嘘のように、空気は澄みわたり、すがすがしい陽気となったこの日、総勢19名が新古河駅に集合し定例観察会を開催しました。今回は、天候による日程の前倒し、車を使っての移動型観察、そして初めての「渡良瀬&フクロウのヒナ目的」の観察など、当会としても“初めてづくし”の特別な一日となりました。
◆フクロウのヒナに大接近!

最初の観察地では、なんと!2羽のフクロウの巣立ちビナと出会うことができました。彼らは高い木の枝にちょこんと佇み、その白くポワポワとした羽毛姿はまるでぬいぐるみのようでした。見上げ続ける首の痛みなど気にならないほど、皆さん夢中で観察していました。お尻を向けていたため、なかなか正面からは見られませんでしたが、その後ろ姿さえ愛らしく、時間を忘れてしまうほどです。また、キビタキらしき地鳴き(参考リンク)も一瞬聞こえ、早くも幸先のよいスタートに気分は上々です!
次の観察地もフクロウ狙い。YouTubeのライブ配信でも話題の神社です。地元の方の話では、我々が到着するちょっと前までフクロウの親鳥が観察できたとのこと。しかし、奥で行われていたチェーンソーによる下草刈りの音に驚いて、どこかへ移動してしまったようです。残念ながら今回は姿を見ることができませんでしたが、ヒナがいる大木に圧倒されつつ、無事に巣立つことを祈ってきました。
◆ 水辺の楽校で、森の小鳥たちに耳をすます

続いて訪れたのは、水辺の楽校です。小さな森ながら、耳を澄ませば初夏の歌声があちらこちらから聞こえてきます。エゾムシクイのさえずりが響き、ガビチョウが騒々しくさえずります。一瞬だけですが、なんとサンコウチョウの声も…!(空耳かも?笑)
さらに、いまさんが森の隙間から飛ぶ猛禽をキャッチ!写真判定の結果、オオタカであることが判明し、皆で歓声をあげました。道中では、Kiyomiさんが見つけた自生のサクランボの木に、たわわに実った果実が!その場で早めのおやつタイムとなり、「甘酸っぱくておいしい!」と大盛り上がりでした。
◆ 空を舞うコウノトリに歓声!



次に向かったのは、桜づつみ沿いのコウノトリの巣塔です。親鳥1羽と、大きく育ったヒナ3羽を観察することができました。そして、観察を続ける中で、なんと親鳥が我々の頭上を滑空するシーンが!羽ばたき一つで空気の振動が感じられるような迫力に、一同大興奮です!
その後は、雄大な渡良瀬遊水地を望む絶景の中で昼食タイム。多少風はありましたが、これ以上ないロケーションで、贅沢なひとときを過ごすことができました。お腹が空いて一時静かになっていたもんちゃんも、すっかり元気を取り戻した様子でした。
◆ 鷹見台へ!初夏の鳥たちと出会う



第2ラウンドは、第2調整池を抜け鷹見台へ。各車両1台に一人任命された連絡係により、LINEグループでの情報共有を行いながら、麦畑やヨシ原をゆっくり進みます。オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、キジ、ヒバリなど、多彩な鳥たちが次々と姿を現します。一瞬、コヨシキリと思われる鳥も確認されましたが、残念ながらカメラが荷台で撮影できず… と思いきや、さすが六甲おろしさん、しっかりと撮影されていました。以前は新川耕地でも見れましたが、最近はさっぱりでしたので、とても嬉しくなりました。
しかし、冬は枯れたヨシ原の上を猛禽が舞うこの場所も、初夏の今はヨシが青々と茂り、「行々子、行々子」と鳴くオオヨシキリたちの合唱が響き渡ります。季節の移ろいとともに、鳥たちの顔ぶれがガラリと変わることに、改めて感動を覚えました。
鷹見台では、オオヨシキリやセッカの大合唱、遠くの沼のカワウ、ダイサギ、上空のトビなどを観察いたしました。
◆ オオセッカ、そして水没の湿地…



オオセッカのポイントでは、すでに何台かの車が到着しており、私たちも続いて観察を開始しました。特徴的な「ジョビジョビジョビ」の鳴き声が辺りに響き、わずかに姿を見せるもすぐに草の中へ。個人的には、簡単に観察できる野鳥より、こういうじらし系というか、なかなか観察できない鳥に妙に惹かれてしまいます。
そうこうしているうちに、予定時間を大幅にオーバーしていたため、後ろ髪をひかれつつも次のポイントへ向かいます。先週の下見では、アオアシシギが見れたので、シギチ類を期待します。が、な・な・なんと増水により、泥地や浮島がすっかり水没!残念ながら、シギチには出会えませんでしたが、ヨシガモが数羽観察できました。まだ北に渡っていないとは、随分のんびり屋さんたちですね。緑色したナポレオンハットのような頭が、太陽に反射してとてもきれいでした。
◆ 最後の舞台は、トラフズク親子



観察会のラストを飾ったのは、トラフズクの親子です。現地には既に20名以上のギャラリーがおり、私たちも加わったことで50名近くの賑わいとなりました。高みからこちらを見下ろすヒナたちも、さぞかし驚いたことでしょう。
巣には1羽が立ち、2~3羽が中に。さらに1羽は既に巣立っており、合計4~5羽のヒナたちが確認できました。母鳥は巣の近くで警戒し、父鳥は少し離れた木の中でじっと見守っているようでした。首が痛くなるほど見上げ続けながらも、喰いつくように観察する鳥好きの皆さんと一緒に、この場所にいられる幸せを噛みしめた瞬間でもありました。
その地で鳥合わせをし、帰りは全員で車に乗車して無事に帰路につきました。
【観察した鳥】カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コウノトリ、トビ、オオタカ、チョウゲンボウ、ヨシガモ、カルガモ、キジ、オオバン、キジバト、アオバズク、フクロウ、トラフズク、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、コヨシキリ、エゾムシクイ、セッカ、オオセッカ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ 合計39種
感謝を込めて
最後に、車を提供してくださったドライバーの皆さま、安全第一での運転、本当にありがとうございました。おかげさまで、事故もなく無事に観察会を終えることができました。
また、連絡係の皆さま、ご自身の観察時間を削っての情報共有、本当に感謝いたします。5台の移動がここまでスムーズにいったのは、皆さんのおかげです。
そして、参加された皆さま、“初めてづくし”を楽しんでいただけたようでなによりです。担当として、肩の荷が下りる思いです。今後の観察会も、仲間同士で、野鳥の世界や花・植物、そして…おしゃべり?も存分に楽しんでいきましょう。どうぞよろしくお願いいたします!