報告 11月観察会 再挑戦!新川耕地(ケリを見よう)

 2023年1月定例会で企画した観察会が雨で中止。その再挑戦が今回の「新川耕地(ケリを見よう)」です。「流山北2号公園」に集合も初めてのこと、挑戦づくしの観察会は、さてどうなりましたでしょうか?

 まず近所の調整池を覗くと、カルガモ、コガモがまだ眠そうに丸まっています。早起きの鳥たちですが、朝食は遅めのようです。その周りをハクセキレイ、セグロセキレイがうろちょろ。オオバンが1羽ゆっくりと浮かんでいました。

コガモ 左:メス 右:オス

左:セグロセキレイ 右:オオバン

 県道5号松戸野田線を渡り新川耕地へ進みます。信号から南側は開発工事が始まり鳥影はありません。前方の電線にカワラヒワが3羽止まっていました。農家の柿木や屋敷林では、ヒヨドリがよく鳴き、冬鳥のツグミが見え隠れしています。この周辺を狩場とするチョウゲンボウは電線にとまり狩りのチャンスをうかがっていました。

左:カワラヒワ 右:ツグミ

獲物を探すチョウゲンボウ

 土手を上ると江戸川です。ここが「六兵衛の渡し跡」、看板によると六兵衛なる人が運営し、対岸への渡しとして昭和20年ころまで存続していたとのこと。実はこの渡し、川の真ん中に小さな中洲があり、鳥たちにとって「居心地が良い所」らしいのです。

 13日の下見ではカワウに混じり、アオアシシギ2羽、エリマキシギ1羽(たぶん)。15日にはコウノトリ2羽(♂のヤマトに♀のひなた)。今年1月初旬~中旬にかけては、ホオジロガモ♀2羽が見られました。鳥運のパワースポットなのです。そして本日、なんとアオアシシギ2羽を確認、鳥運パワー継続中でした。旅鳥なのでこれが最後になるかもしれませんね。

左:まだいたアオアシシギ 右:アオサギ

左:トビ 右:カワウの大群

 江戸川の土手から新川耕地を一望できます。前方に立ち並ぶ巨大アルファリンクの倉庫群。南は開発工事で整地された開けた空間。そして残された水田は、利根運河へと続いていきます。30年前、タゲりの新川耕地と言われましたが、現在姿はほとんどありません。わずかに居ついているケリがいつまで見られることか?・・ 全員で枯田を探します。もう諦めかけたころ「鳥がいます」の声、急いでスコープで確認すると確かに「ケリ」です。5羽のケリが身を寄せ合っていました。年々厳しい環境の中ここに渡ってくるケリたち、なんと律儀で愛おしいことか。そして終盤にはオオタカが、パタパタ~スイーっと飛んでいきました。

左:ケリ 右:モズ

全員で探した甲斐がありました。

 というわけで、本日の「再挑戦!新川耕地(ケリを見よう)」、これにて一件落着「めでたし、めでたし」となった次第でございます。

 32名もの参加されたみなさん、駅から遠いところありがとうございました。お疲れさまでした。12月野々下観察会はカモたちが勢ぞろい。鳥運パワー全開でいきましょう。

(写真:六甲おろし)

◆観察した鳥

カイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、トビ、オオタカ、チョウゲンボウ、コガモ、カルガモ、オオバン、ケリ、アオアシシギ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス   以上26種

◆参加者

会員22名+WEB会員10名=32名

●<おまけ> 11月15日(土)「六兵衛の渡し跡」にコウノトリが来た!

ヤマトは、クチバシも体も大きくてたくましいです。今年は残念でしたが来年の繁殖、成功すれば良いですね。

左:中洲の♀ひなた 右:仲良しのヤマトとひなた(写真:とりじい)

※ヤマト♂(J0155 2017年4月9日野田市生まれ 右足:黄黄 左足:黄黒)

 ひなた♀(J0424 2022年3月29日小山市生まれ 右足:青黄 左足:緑緑)