報告 10月18日 新川耕地観察会

新川耕地(Google マップより)
今年は9月に長雨が続いた。台風にいたっては30号まで発生している。10月に入りやっと晴れ日に恵まれるようになり、安心して観察会を開くことができた。今回は一年ぶりの新川耕地である。
ここで久しぶりの新川耕地についてふれてみたい。当会が発足したのは1992年、もう34年も前のこと。当時の新川耕地は、旧 東葛病院の裏側から利根運河までの広大な水田地帯だった。南には常磐自動車道が走り、耕地の真ん中を県道5号松戸野田線、それもまだ有料で運河大橋の手前に料金所があった。建物といえば流山北高校のみ、江戸川と南北に延びる斜面林に囲まれて雄大な自然が広がっていた。そしてその耕地は関東でも有名なほど、タゲリの越冬地となっていたのである。当時のカウント調査では200羽ほどのタゲリが記録されていた。ケリは当時も少なくて20数羽程度であったろうか。
昔話となってしまうが、北高校の周辺では夕方になるとコミミズクがフワフワと飛び狩りをしていた。耕地の屋敷林ではトラフズクが10羽ほど集結し「ねぐら」としていた。春の渡りの時期には、ムナグロやチュウシャクシギの群れが羽を休めていた。夏になると湧き水が流れ込む水田で「ホタル鑑賞会」も行われていた。こんな新川耕地をホームコースとして、年に何回も観察会を行っていたのである。新川耕地は海から30kmほどのまとまった水田地帯で、鳥たちにとって渡りの休憩地・餌補給地・越冬地として絶好の安全地帯だったようだ。
さて2000年あたりから、松戸野田線と斜面林の間の耕地が大型物流施設として開発が始まった。この施設は地域との共生を目指し、流山市としても重要な位置づけとしている。2023年7月に完成し、新川耕地は日本最大級の最先端物流総合拠点として生まれ変わったのである。ただ鳥たちは正直なもので、歩けば飛ぶほどのタゲリたちは新川耕地から利根運河の北側、野田市今上方面へ移り変わった。今や新川耕地ではほとんど見られない。ただ「ケリ」は現在でも10羽ほどを見ることができる。
前置きが長くなってしまったが、今回の本命はその「ケリ」。少ない群れで渡ってくるケリは、タゲリよりも越冬地としての新川耕地に愛着が強いらしい。なんと律儀なことか。黄色のクチバシに黒の口紅、赤い虹彩のツッパリ顔が愛おしくなってしまう。 では今回の観察会でケリは見られたのであろうか? ご心配なかれ! 昨日の下見で11羽を確認していたが、その11羽の群れを集合前に耕地で休息しているのを確認済みである。と同時に1羽のみ別行動のケリがいたのである。本日渡来したであろう12羽目のケリが、カルガモに混じって休息していた。観察会が始まってもその1羽は飛ぶことなく留まっていたので、参加者全員で見ることができたのである。


飛ぶことなく留まっていた12羽目のケリ。ケリとアオサギ。
ケリを堪能したあと新川耕地を通り、江戸川の「六兵衛の渡し跡」へ進んだ。堤防ではモズの高鳴き、アオサギ、カワウを確認。そして対岸を低く滑空していくオオタカ、余りに遠くに止まったので最後は発見不能となった。


カワウ。高鳴きはモズ。
堤防からは新川耕地全体を見渡せる。澄みきった青空に耕地の枯れた色、セイタカアワダチソウの黄色が目に飛び込む。そして想定通りに正面の電柱にはノスリが背を向けて止まったいた。こういうのを千両役者というのだろう。我々が進む道の電柱である。徐々に近づき限界距離で躊躇したが、進まざるを得ない。ノスリは後ろ向きに振り返るとさすがに飛び出していった。腹巻をみせながら我々の上空をゆっくりと旋回し道を譲ってくれたのであった。ノスリ君、ごめんなさいね・・・。 なんとこの時、ミサゴも帆翔していたのであった。


腹巻はノスリ。なんとミサゴも。

後ろ向きに ギロリ!
新川耕地といえば「タゲリ」の時代は終わってしまったが、かろうじて渡ってくる「ケリ」はいつまで見られるだろうか? 今期いまのところ12羽を確認しているが、今後の動向が気になる。せめて現在の越冬地に居続けられるよう見守っていきたいものである。参加されたみなさん、色々と注文をつけた観察会でしたがいかがだったでしょうか。お楽しみいただけたら幸いです。


(写真提供:六甲おろし、mako-G、カワセミ好きさん、ありがとうございました。)
◆観察した鳥
カルガモ、コガモ、キジ、キジバト、ケリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、ミサゴ、オオタカ、トビ、ノスリ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、(番外カワラバト)
合計20+番外1=21種
◆参加者 会員23+WEB会員7=30名
●次回は、11月15日(日)利根運河・理窓公園(WEB会員さんも参加OKです。)詳しくは、下記をご覧ください。お待ちしています。
2026年11月15日㈰ 定例観察会のお知らせ | 流山野鳥同好会

