報告 6月15日定例観察会 新企画「野田市こうのとりの里」
当会初の観察地「野田市こうのとりの里」での観察会が無事に行われました。
雨予報が出ておりましたが、幹事さんの取り計らいで、観察舎でのボランティア会によるガイドさんをお願いしてありましたので、今回は異例の雨天決行! 観察舎の開館時間に合わせて、1時間遅らせての集合となりました。
会員の皆さんの日頃の行いのおかげで、未明の雨も集合時間にはほとんど傘も要らない位で、ホッとしました。足元の悪いコンディションながら、会員18名、web会員3名の総勢21名の参加で、皆さんの熱量を感じる始まりです。


※ コウくん(♂)は、左足のみ黄色の足環。コウちゃん(♀)は、左足のみ赤の足環。
観察舎に入る前に幹事さんから江川地区やコウノトリについての軽いレクチャーを受け、皆で観察舎に向かいました。
この日は私たちの他に常総市のグループの方々も参加されて大所帯となりましたが、コウノトリボランティアの会 金野会長の軽快なトークを交えながらの楽しい解説で、コウノトリについての知識を深めることが出来ました。
残念ながら、野外に居るヤマト♂とひなた♀は朝からお出かけ中とのことでしたが、大きな窓の向こうには施設内で飼育されているコウくん(♂20才)とコウちゃん(♀30才)のペアがおり、間近で観るその大きさには圧倒されました。途中コウくんが餌のアジを丸呑みするサービス振りで盛り上がりました。
この様な立派な施設が野田市単独で運営されていることには驚きと共に感心しました。人間の行いによって絶滅してしまったコウノトリを人間の力で復活させようと努力を続けられている方々にも頭が下がりますね。現在日本で生息しているコウノトリの個体数は順調に増えているそうですが、全てが、復活させる際に外国(中国、ソ連)から貰い受けた個体の子孫であるという事情で、遺伝的に難しい局面に来ているという問題点も伺いました。
施設内での展示などを見学した後、外に出ると、雨はすっかり上がっており、予定通り「こうのとりの里」のある江川地区を散策することが出来ました。




雨上がりの湿気は凄かったですが、暑くも寒くもなく、強い日差しもなくよかったですね。
田植えの終わった田んぼには、キジのオスやカルガモの姿が観られました。
転ばない様に畦道を進むと前方にシロサギが。これは「ダイサギ」なのか「チュウサギ」なのか? 幹事さんから見分け方のレクチャーがありましたが、この場では判定は難しく、その後写真判定で「チュウサギ」と同定されました。
森の際を進んでいくと、突然大きな鳥が森の前方から現れ、慌てて双眼鏡を覗きます。「サシバ」でした。悠々と真上を飛んでいきました。


そして、今回の観察会の目玉のもう一つ「アオサギの営巣」の観察のために、江川の脇の鉄塔まで歩きました。昨年は1基の鉄塔のみだったのですが、今年は2基の鉄塔に営巣しており、スコープで覗くとポヤポヤ、モフモフの雛が可愛かったですよ。カワウが何故かたくさんアオサギの巣の側にいるのも面白いですね。
田んぼの周りのアシ原では盛んに「ギョギョシギョギョシ」の大合唱。と、背の高い竹の棒の上に止まるオオヨシキリを発見。バッチリ観察出来ました。



そうこうしていると、広い江川地区の空を1羽の大きな鳥が悠々と飛んできました!そう! 念願の野外で飛ぶコウノトリの姿です。もう、皆大興奮!! 見晴らしのきく広い空を飛ぶ姿は、大きく美しく優雅で存在感があります。その後もう1羽も戻ってきて電柱の上に止まりました。朝、幹事さんに教えていただいたことを思い出しながら、スコープで覗いて、個体識別用の足環を確認。紛れもなく「ヤマト♂」と「ひなた♀」でした。


※ 足環わかりますか?ヤマト(♂)右足:黄黄 左足:黄黒/ひなた(♀)右足:青黄 左足:緑緑
昨年この地で初めて野外繁殖に成功したペアですが、今年は上手くいかなかった様で残念ですね。
オスのヤマトはこの江川地区が大好きだそうなので、来年また仲良しの ひなた と子育てに成功してくれることを楽しみにしたいと思います。
その後管理棟の方に戻る途中で再びサシバが現れ、小1時間の探鳥も終了。鳥合わせをして解散となりました。
幹事さんのお話では、この江川地区は江戸川、利根川に挟まれ、利根運河沿いに緑が広がる「渡り鳥ルート」にもなっている鳥が大好きな自然豊かな場所とのこと。フィールドワークの1つとしてお勧めの場所です。(文:トリコママ/写真:六甲おろし)
<2025.6.15 こうのとりの里> 臨場感あふれる場面をご覧ください。
(提供:Hatoさん)
●参加者 会員18名+web会員3名=21名
●観察した鳥 合計22種(鳥合わせではダイサギとしましたが、チュウサギに変更しました)
カワウ、アオサギ、チュウサギ、コウノトリ、サシバ、カルガモ、コジュケイ、キジ、コチドリ、キジバト、ホトトギス、ツバメ、ハクセキレイ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス
<お知らせ>
7月、8月は観察会はありません。次回は9月の正会員限定観察会(申し込み制)になります。(ごめんなさい。WEB会員の方は参加できません)
●日時 9月21日(第3日曜日) ●場所 三番瀬海浜公園観察会
●集合 船橋三番瀬海浜公園 観察デッキ1階 ●集合時間 9時30分 ●解散予定 13時ころ ●弁当持参
いよいよシギ・チドリの季節です。ダイゼン、ミユビシギ、ミヤコドリなど市内では見られない鳥たちを観察しましょう。詳細は、8月21日(木)ホームページにてお知らせします。皆さまのご参加をお待ちしております。