3月2日(日)定例観察会の報告

2025年3月2日(日)AM 晴れ曇り・13℃・風速1m/s

この日は北東の風が1m/sと穏やかで、春を思わせるような暖かな陽気に包まれた絶好の探鳥日和でした。気温は15度前後と過ごしやすく、野鳥観察には最適な条件が揃っていました。噴水広場に集合した総勢12名の参加者とともに、小合溜沿いを歩きながら水鳥の観察を開始しました。


最初に目に入ったのはユリカモメです。10羽ほどの群れが水面を漂い、時折飛び立つ姿が印象的でした。続いて、杭の上で羽を広げて乾かすカワウが視界に入りました。カワウは翼を広げて日光浴をする習性があり、その姿はまるで古代の翼竜のようでした。

さらに、カイツブリやカンムリカイツブリも観察できました。まだお腹が満たされていないのか、水中に潜ってばかりでした。その素早い動きについていくのがやっとでした。

続いて、この地では外せないキンクロハジロとホシハジロの群れを観察します。今シーズンは数が大分少ないとのことでしたが、それでもあちこちに点在する数をざっとかぞえると数百に上ります。彼らの大半は、嘴を羽毛の中に突っ込んで休んでいる「鴨の浮き寝」状態でしたが、その美しい羽色のコントラストを充分に堪能できました。アカハジロ×ホシハジロの交雑種が1羽だけ入っているとの情報があったため、見える範囲のホシハジロを1羽1羽丁寧に探しましたが今回は出会えませんでした、ザンネン!


進行方向左側のメタセコイアが茂るエリアでは、カワラヒワの群れ12羽が地面に降りて採餌していました。また、カラスが枝を加えて巣の補修をしていたり、お馴染みのヒヨドリやムクドリたちが飛び交って賑わいを増してきました。

次に訪れたガマ田では、アオジ、シジュウカラ、キジバト、ムクドリ、ツグミ、アカハラなど、さまざまな小鳥たちが観察できました。特にアオジは、その鮮やかな黄色い羽が目を引きました。シジュウカラは木の枝を元気に飛び回り、「ツツピーツツピー」とのさえずりがあちこちから聞こえてきて春の訪れを告げていました。クイナやヒクイナは、とても警戒心が強い鳥なのでなかなか出会えない野鳥の一つです。ガマの茂みに隠れていないか目を皿のようにして探しましたが、残念ながらタイムアップ。それでも多くの小鳥たちに出会えたことに満足感が溢れていました。


バードサンクチュアリに入ると、「ケッケッケッケッ」という猛禽の警戒する鳴き声が響き渡りました。それは、本日のハイライトの一つとなったオオタカ♂でした。樹上の枝に止まるオオタカの姿がはっきりと捉えられ、一同はその威風堂々とした姿に釘付けになりました。この瞬間から、「猛禽デー」の幕が開けました。

5番観察窓では、ダイサギ、コサギ、アオサギを観察しました。特にダイサギとコサギは純白の羽が眩しくそして美しく、杭の上で優雅に羽繕いをする姿がゆっくりと観察できました。もちろん、ここから見れる定番の営巣地に集うカワウたちも健在でした。


水生植物園では、カワセミの声を初めて確認し、一同は期待を膨らませましたが、残念ながら姿を見つけることはできませんでした。しかし、その代わりに上空をオオタカが帆翔する姿を見ることができました。これは本日二度目のオオタカとの遭遇で、その雄大な飛翔に一同が感動を覚えたのは言うまでもありません。


グリーンプラザでトイレ休憩をとっていると、再びオオタカの帆翔を確認しました。すると、オオタカと比べて半分以下の小さな鳥が追尾しているのが見えました。それはツミのメスでした。ツミは気性が荒く、自分より倍以上も大きなオオタカをものともせずに攻撃を仕掛けます。その勇敢な姿に一同は驚きと感嘆の声を上げました。


カワセミの里を目指す途中にて、カワセミの追いかけっこを何度も目撃しました。3月初旬は繁殖期が始めるので、なわばり争いなのか?それともペアリング行動なのか?理由は定かではありません。しかし、その活発な動きに一同は心を奪われました。そして、アオサギが悠々と飛行する姿も楽しみつつ、水生植物園では見られなかったオカヨシガモも観察することができました。


ゴールが間近に迫ってきたとき、なんとこの日4回目の猛禽に遭遇しました。それはオオタカの幼鳥でした。落葉樹の枝がもやもやと交差しているのと同化しているため、目を凝らすもその存在をなかなか確認することができず、一同もモヤモヤ感が募ります。まるで擬態でもしているかのような、見事な保護色でした。

カワセミの里では、ゴイサギの成長を観察しました。惜しくも目標の40種には届きませんでしたが、合計で38種の野鳥を確認することができました。特に、オオタカを至近距離で見ることができたことで、大満足の観察会となりました。

観察会に参加する魅力とは、単独の探鳥では見過ごしがちな野鳥たちを、皆で力を合わせて探すことで沢山の鳥たちを観察することが可能になることだと思います。その日その時にしか見られない瞬間に出会えることに感謝ですし、特に今回は猛禽類のドラマチックな姿が印象的でした。この日の観察会を通じて、水元公園の魅力を再認識することができました。年に1度は訪れたいですね!

(観察した鳥)カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ、ツミ、オオタカ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、コガモ、カルガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオバン、イソシギ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、アカハラ、オオアカハラ、シロハラ、ツグミ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス

【追伸】
バスの時刻表、古い情報のまま掲載してしまいご迷惑をお掛けいたしました。以後気をつけますのでご容赦ください。