雪の天気予報が外れて曇り時々晴れとなった2月14日、朝のウォーキングではいつになく鳥が活発に動くのが見られたので、今日はチャンスかなと思い久々に一人観察会に出掛けることにしました。
何年振りかに観察で訪れた新川耕地ですが、道を挟んで半分は大規模な物流センターが立ち並び、数年前と比べてがらりと変わってしまった風景に、ただただ圧倒されてしまいました。
「あぁ、この地でコミミズク見たなぁ」とか「フクロウを見たなぁ」とか昔を思い出しながら、もう再び見ることができなくなってしまったこの変わり果てた環境に対し、なんだか無性に寂しさを覚えました。井崎市長を恨むわけではないですが、経済と環境の両立って難しいものですね。
さて、最初に訪れたのは本日一番期待しているケリが居るスポットになります。
野焼きされた田んぼでは、ツグミやタヒバリなどが沢山訪れており、暫し楽しませてもらいました。
さらに道を慎重に進んでいくと、以前はケリを見ることができた場所に到着しました。果たして今回はどうでしょうか。双眼鏡で隅から隅まで見渡すと、あぜ道の一角にグレーの色も鮮やかなケリを捉えることができ、「よし!」と小さくガッツボーズをいたしました。
しばらくの間観察していると、もう一羽近づいてきて計二羽になりました。
そして、欲張りにも飛翔シーンも撮りたくて近づいて行きましたが、ちょっと油断した隙に飛んで行ってしまい撮ることができませんでした。もっと腕を磨かねば・・・。
続いて、歩を進めていくと、遠くでドバトの群れが忙しなく動いているのが見えました。「これは、もしかすると・・・」と思い丹念に見渡していると、いました、いました、ノスリです。
猛禽類の中では比較的遭遇率が高いノスリですが、翼の下面にある黒色斑がチャーミングで個人的には大好きな鳥の一つです。遠くの電線にもう一羽止まっているのが見えたので近づいて行くと、気がつかれて飛び立たれてしまいました。
すると、ゆうゆうと羽ばたくノスリの近くに急接近する鳥が!
背中の茶褐色も鮮やかなチョウゲンボウでした。
しばらく電柱に止まっているのを観察していましたが、獲物を定めたのか田んぼに急降下していきました。
結果的に狩りは失敗したようで、また電線に戻って獲物を物色中となりました。
ノスリ、チョウゲンボウと続き、第三の猛禽が遠くで旋回しながら近づいてきました。
トビです。凹尾で大型のタカであるトビは、遠くからも一目でわかる存在感です。段々と近づいてくるのが分かったので待ち構えていると、すぐ頭上を飛んでいきました。まるで私自身が狙われているような錯覚に陥るほど迫力満点の瞬間でした。
最後は定例観察会で訪れる定番の場所です。先ほどまでとは様子が異なりかなり静かな雰囲気でした。以前はクイナも見られたヨシ原のあたりも、ほとんど草が刈られてしまっており寂しい限りでしたが、ムクドリ、ハシボソガラス、カワウ、スズメ、を観察することができました。スズメは群れをなしてチュンチュンと相当うるさく鳴いていました。
帰り際に1羽のダイサギを見つけました。
水の張った田んぼの中を、そろりそろりと歩きながら食べ物を探しています。ときには首をながくしたりくねくねと短くしたりと、さながら象の鼻のように変化自在です。ふいに嘴を水の中に突っ込み獲物を捕らえました。写真でみるとザリガニのようです。
所要時間約3時間の一人観察会でしたが、コロナ下で2年近く遠ざかっていたので結構疲れました。しかしながら、お目当てのケリにも出会えましたので、疲れも吹き飛ぶ大満足の楽しい探鳥会となりました。
【観察した鳥】ハクセキレイ、ツグミ、タヒバリ、カワセミ、アオサギ、ケリ、ハシブトガラス、キジバト、スズメ、ノスリ、チョウゲンボウ、トビ、ドバト、カワラヒワ、セグロセキレイ、ホオジロ、ムクドリ、カワウ、ダイサギ、ハシボソガラス 計20種